• Jul 12, 2025

英語の道は、直線じゃない。

「全然伸びてない気がする…」そんな時こそ思い出してほしいのが、この言葉。英語の道は、直線じゃない。遠回りに見えるその道も、きっとあなたの成長の一部です。

英語を長く勉強しているのに、「伸びてる実感がない」と感じたことはありませんか?
もしかしたら、それは「英語の進み方」に対する思い込みが原因かもしれません。


英語学習というと、「基礎 → 中級 → 上級」と、段階的に進むイメージを持つ方が多いと思います。
まるでゲームのように、ステージをクリアすれば次のレベルに進める感覚です。

学校教育でも、「レベル1」「レベル2」などのように、知識を積み上げていくモデルが一般的ですよね。

一般的な『レベル式』学習モデル。実際はこんなにシンプルではありません」

しかし実際の英語学習は、こうした直線的なものとは少し違います。


英語は「科学」であり、「芸術」でもある

英語の文法や語彙は、ロジックに基づいた「科学」のような要素があります。
一方で、会話や表現、語感などは、「センス」や「柔軟性」が問われる「芸術」のような側面を含んでいます。

つまり、英語の学びは、まっすぐ上に積み上がるのではなく、何度も基礎に戻りながら登っていく“らせん階段”のようなものです。

でも、こうした「科学」と「芸術」が混ざったスタイルの学び方は、実は英語だけではありません。

日本の文化の中にも、まさにこの学びの道を表した、深い知恵があります。

それが、武道や茶道などで使われる学びの概念──

守・破・離(しゅ・は・り)です。



守・破・離:英語上達の3ステージ

この3つのフェーズを理解することで、

  • 自分が今どこにいるのか

  • 何を重視して学ぶべきか

    がクリアになります。


守(初級)

期間の目安:6〜12ヶ月|主な目標:基礎を固めること

このフェーズは、武道でいう「型」を守る段階。英語学習では:

  • 基本的な文法・構文を理解する

  • よく使う単語や表現を覚える

  • 正しい発音・リズムを身につける

ここは反復練習が中心で、「楽しさ」よりも「地道さ」が求められる時期です。
多くの人がここで挫折するのは、英語がまだ「道具」ではなく「課題」に感じられるから。


アクションポイント

声に出して覚える、暗記する、書き写す、復習する……
この「退屈に見える練習」を積み重ねることが、後々大きな自由を生み出します。


破(中級)

期間の目安:1〜5年|主な目標:「使える英語」への変化

「守」で習った型を、少しずつ「破る」段階に入ります。
型から離れ、自分のスタイルを模索し始めるのです。

例えば、3年間ずっと「まだまだ初級レベル」と思い込んでいた生徒さんがいました。
文法に自信がなく、間違えるたびに「もっと基礎をやらなきゃ」と感じていたそうです。
でも実際は、英語で自分の考えをしっかり伝える力があり、「破」のフェーズに十分入っていたのです。

自分がどのフェーズにいるのかを正しく理解するだけで、学びの方向性が大きく変わることもあります。

  • 会話ができるようになってくる

  • 自分の言葉で英語を組み立てる力がついてくる

  • 文法の正確さより「伝えること」が重視され始める

ただし、この時期は「伸び悩み」を感じやすいです。
中級の壁(プラトー)とも呼ばれ、努力しているのに成果が見えにくくなる時期。

ここでカギになるのが、「自分の目標」に学びを合わせること。

“If you don’t know to which port you are heading, no wind is favourable.”

「どの港に向かっているのかが分からなければ、どんな風も順風にはならない。」
— セネカ(Seneca)


アクションポイント

仕事や趣味に直結するテーマで英語を使ってみましょう。
自分専用の学習プランや1:1レッスンを取り入れることで、突破口が見つかります。


離(上級)

期間の目安:継続|主な目標:英語で人生を広げる

「型」から完全に離れ、自由に英語を使いこなすフェーズです。

  • 英語で情報収集や学習ができる

  • ネイティブと自然にやりとりできる

  • 英語で思考・創造ができるようになる

でも大事なのは、「完璧であること」がゴールではないということ。
ネイティブでも知らない単語に出会うことは日常です。

本当の上級者とは、**「分からないとき、自力で理解・対応できる人」**です。


アクションポイント

英語を「学習」ではなく「生活の一部」として取り入れましょう。
読書・映画・専門分野の情報など、どんどん“英語で自分の世界”を広げていく時期です。


英語学習は、あなた自身の道

「英語を話せるようになるまで、どれくらいかかりますか?」

よく聞かれる質問ですが、その答えはとてもシンプルです。

目的地にたどり着いたときが、あなたの“学習の終わり”です。

✔「旅行で困らないようにしたい」
✔「仕事で使える英語を身につけたい」
✔「一生、英語で学び続けたい」

どのゴールも正解です。大事なのは、今どこにいて、どこへ向かっているかを意識することです。

英語学習は、今いる場所と、向かう先を知ることから始まります。


あなたは今、どのフェーズにいますか?

「守」「破」「離」、あなたは今どのフェーズにいると感じますか?
コメントでぜひシェアしてみてください。どんなお悩みや質問でも大歓迎です!

守破離をもっと深く学びたい方へ

このブログは、2025年夏の5回連続ワークショップシリーズのスタート地点です。

特に「破」や「離」のフェーズにいる方が、次のステップに進むための具体的なヒントが満載です。

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